7/21 グレイモヤ@なかの芸能小劇場

2019年7月21日(日)グレイモヤ(@なかの芸能小劇場
【出演】Mr.ドーナッツ伝説 咳暁夫(ストーリーテラー)/ママタルト/じぐざぐ/カナメストーン/ひみつスナイパー健/ひつじねいり/フカミドリ/赤もみじ/シャララ/車海老のダンス/ビデボーイズ/真空ジェシカ/サーフボードストレッチ/ちびシャトル/ムラムラタムラ/寺田寛明/サスペンダーズ/ニッキューナナ/きしたかの/フェー/春とヒコーキ/フランスピアノ/山火事ジェイソン/ハンバーグセット師匠/スーパー4助/ガクヅケ/かが屋/彗星バロック※休演

 ずば抜けてひつじねいりがおもしろかったです。ツイッターでも書いたけどひつじねいりは漫才の型がすごくきれい。バランスがめちゃくちゃ好きだなあと思う…。前日の若手ネタ祭りもずば抜けて面白かったんですよねひつじねいり。
 今回のネタは細田さんが家でのひとりごとが多いらしいので、再現するからほんとに多いか松村さんに見て指摘してもらう、という流れ。この中で出てくるワードワードがめちゃくちゃに面白くて面白くて…!「第7世代に入りたい」「霜降りがグループLINEとかつくってるの?」「かが屋は誰も傷つけないお笑いって言われてるけど世界で唯一俺は傷ついている」怒涛の強ワードすぎる。松村さんの冷静なツッコミも良かった…。「あつくてださい」って笑ってしまう
 あと細田さんがめちゃくちゃデカ声で「売れてえーー!!!!」と叫んだり、浅草キッド歌う姿が漫才の一部だと分かっていてもぐっときたので、どうか どうにか このお笑いが報われますように…と笑いながら願っていた。松村さんはモー娘。歌ってたんですけど、このモー娘。により浅草キッドが際立つという。きもちあわせてがんばりましょう。きっともうがんばっている。
 細田さんって物静かなボケを淡々とかましそうなのに、ひとつひとつの漫才中の振る舞いに熱が込められてるっていうギャップがすごいな、と…青い炎かと思いきや赤の炎を宿しているという。反対に松村さんは赤いと思いきや青い炎を宿しているように思うので、それがまた「ひつじねいり」っていうコンビのバランスの良さを表しているのかなと個人的に思いました。色は違えど同じ炎を持つふたり。松村さんが前日のイベントで「僕はM-1で勝つためにコンビを組みました」と仰っていたので、その炎が12月の決勝の地を包んでいて欲しいなと願うばかりです。

 かが屋は長尺トリで、何を持ってくるのかなと思っていたら「市役所」でした。えーんうれしいいまふたたびのりっぴせんぱい…(私はりっぴの後輩になりたい夢女です)
 「市役所」が披露された単独と三者三様は上手側の席だったので、どちらかというとけんちゃん(加賀さん)の身振りがよく見える側だったのですが、今回下手側にいたのでりえちゃん(賀屋さん)の身振りがよく見えて。この言葉のあとにテンポが遅れて反応していたのか、とか、どういう表情で彼氏であるけんちゃんを諭していたのかとかをよく見ることができて新しい発見でした。そしてやっぱりりっぴせんぱいかわいい… ほんとうに良いコントだなと思う。ゼクシィ買いたくなりますね相手いないけど勉強もしないけど。

 前にマセキのライブで見て気になっていたフカミドリを見られてうれしかったな~ネタは「ノーパンしゃぶしゃぶ」だったのですが、なぜか品の良さを感じさせる。内容は下も下なのに…すごい…「デリバリーすればいいよ」「どっちのデリバリーがくるんだよ」がめちゃくちゃおもしろかった。チェンジしたら肉がくるデリヘル きになる
 真空ジェシカは川北さんが開口一番「フィジカルラブリーです」とマヂラブパロディ(?)をかましてきたのでもうだめでした(私の腹筋が)。真空ジェシカ世にも奇妙な物語感のある漫才は不思議な魅力が込められているな…と改めて実感しました。そしてやっぱりおふたり細い。ただガクさんは膝かっくんしたら折れそうで、川北さんは膝かっくんした側が折れそう。同じ細いでも質量がちがう…
 寺田さんはやっぱりおもしろかった。豊美の同担拒否とトムブラウンの薄い本…あの淡々とした空気感の中で発されるワードが強すぎる。めちゃくちゃおもしろかった…。
 いつも思うけど、塾講師されているからか先生感強いですよね、女子高の講師っぽいんだよな寺田さん…推し的な意味で好きって言われているより片想いされているイメージ。佇まいが当時好きだった先生と似ているので勝手に懐かしくなってしまう。

 今回初めて見て気になったのは車海老のダンスと春とヒコーキでした。2組とも名前はよく見かけるけどネタは見たことなかったので見られて良かったなあ。車海老のダンスはうっすらとブラック感漂うネタでおもしろかった。きれいごと並べるってどんな発想なんだ…
 春とヒコーキは設定がめちゃくちゃ良いなあと。出てくる言葉もすごく良かった。「虫けら視点のVR」とか「生きてるだけで大赤字」ってすばらしすぎる…これほどまでに人を落とし込める言葉ってまだまだあったんだと驚きもあった。生きてるだけで大赤字っていいな。死ぬほど嫌な人に出会ったらその人に向けて心の中で思っておこう。「あいつ生きてるだけで大赤字な人だな」と。い いわれたくないなこれ…

 たのしい部分もあったライブだったのですが、ちょっと(どころではないけど…………)もやもやっとしたりしんどかった面、も、しょうじき、あった、ので………以下はそれの吐き出しです。

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 オープニングエンディングトーク無しの「ネタのみ」ライブだったのでどうやって始まってどうやって締めるんだろう…と思っていたら、ストーリーテラーの咳さんが話し始めて話し終えるという形でした。世にも奇妙な物語タモリさん的なポジション。グレイモヤでは定番なのかな?初めて行ったから客席の湧きあがり具合にちょっとついていけなかった…。というか全体的に客席の温度感と自分が噛み合わないことが多くて、ちょっと、というよりかなり疲れてしまったのが正直。合わない現場というのもあるんだなあと学びました。ライブ選びむずかしいな~まあある意味博打だからしょうがない…。

 大半が見たことがない芸人さんだったので、どんな芸なのかな~とそこも楽しみにしはしてたのです が。うーん…おもしろいかった人ももちろんいたのだけれど、自分の価値観倫理観と合わなさすぎて見てるのがきもちわるくなってしまった人もいたのでここも博打だなあと…。正直、20数年お笑い見てきてこれの何がおもしろいのかが分からないっていうのは何度もあったけれど、そのネタ自体に・表現の仕方に対してきもちわるいと思ったのは初めてだったから、ほんとうに しんどかった。
 笑いは強制されるものではなく、自然と湧きあがるものだから無理に笑うことはしないのだけれど、この場にいる以上はなるべく最大限にたのしみたいと思っているので結構笑ってるんですけどね(ゲラだし)、ちょっともう この日の一部については申し訳ないですけどぜんぜん笑えなかった。声に出さずとも口角があがるってこともなかった。座った位置的に笑ってない姿があるのは申し訳ないなあと思ったけど…許してほしい…。そして客席の湧いた空気に流されて笑って後悔する経験はもうしたくないな。なんであのとき笑ったんだろうって思うの、お笑いライブ見ててこれほどしんどいことはない。何のために来てるのかなって思う。
 あと個人的に組数多いライブだったらオープニングエンディングトークは欲しい派なんだなって思いました。芸人さんは芸を見せて(魅せて)なんぼだとは思っているけれど、話しているときの姿とか言葉選び、振る舞いを見ているのも私は好きで…。見終わって思うのは、このライブが自分に合わなかったんですね。しょうがない。お客はライブを選ぶ権利があるし、ライブ主催側はコンセプトや出演芸人を決める自由がある。今回はマッチングが悪かったんだなあ。しょうがないです。これも経験。
 この日の一番の被害者は次の日出社早いのに怒涛のように愚痴を聞かされた私の父親です。申し訳ない。そして結局日記にも吐き出すという…でも書くとおちつくからな…考えもまとまるから…

 好きな人を見に行ったのになんだかすこし悲しくなってやるせなくなってしまった日でした。帰り道は灰色気味でぼやけてしまった。家に帰って自分の部屋でイヤリングを失くしました。そういう日もある。